マンションから念願の一戸建てに

以前から妻とは、私の退職金が出たら一戸建てを購入しようと、何かに付け話をしてきたが、ついにその時がやって来た。結婚して以来、ここ海老名のマンションで25年間を過ごし、三人の息子の子育てもやってきた。

この間、子供の身長のことや進路のこと、学校のことなどたくさんのことを経験してきた。

お陰で部屋は相当に痛んでボロボロである。しかし、いずれ一戸建てを購入すると決めていたので、特にリホームはしなかった。一戸建て購入については、特に妻が強く願っていて、正直なところ、幾分その勢いに押し切られたという感もあるが、いずれにしろ、その時がついにやって来た。

とはいうものの、一体どうすればいいのか、である。最初は妻と二人で近のハウス展示場に行ってみたが、何となく場違いだった。

そこで次に、地元の不動産屋に電話をしてみた。初めての経験でもあり、また、こういう業者さんは、一度電話するとかなりしつこく、強引に物件を売り込んでくるんじゃないか不安だった。電話をすると直ぐに不動産屋から20代ぐらいの若い男の人がやって来て、その人の車で、不動産屋に行くことになった。

不動産屋は海老名の駅前のビルの一階に入っていて、このビルの別の店には買い物に何回か来たこともあり、ビル自体はよく知っていた。ソファー付きのテーブルに案内され、待つように言われた。

お茶とお菓子が出されたが、それには手を付けずに妻と二人で待っていると、奥の部屋から、さっきの若い男性と、如何にも管理職といった感じの年配の男性がやって来た。不動産屋では、この年配の男性と主に話をし、こちらの希望や予算についてや、不動産屋がキープしている物件の紹介などである。

一仕切り話をした後、幾つか我々の要望に叶う物件があるので、これから車で案内するというのである。紹介された物件は、あまり気乗りがしなかったので、その場で断った。日を改めて再度、数箇所の物件を見て回ったが、高価な買物でもあり、なかなか踏ん切りが付かずにいた。

最後に紹介された物件は、私も妻もまあまあという感じになった。新築や中古の建売ではなく、土地だけの物件である。直ぐそばに川が流れていて、土地の傍らにはさくらの大木があった。不動産屋からは、「ここは我々以外にも、若い夫婦が興味をもっていて、今、親に借金を頼んでいる。早くしないとそちらに決まってしまうかもしれません。」という話があった。

どこまで本当かは疑問だったが、妻と相談し、子供達が賛成ならここに決めようということになった。地元でもあるので、場所を話せば子供達も大体は分かるはず。しかし、話をしたところ、「そばの川が汚く多少臭いがするし、どうせ買うなら海老名じゃなくってもっとほかの場所にしたら」ということで、あえなく却下。

その後、妻がネット検索で、みなみ野を見つけてきて、大和の不動産屋に紹介をしてもらい、何箇所か見て回った。そのころには中古を購入しようと、ほぼ決めていた。

それは、新築だと我々の予算ではどうしても重厚感のある家は難しかったからである。みなみ野で数箇所見た中に、交通量がそこそこある大きな道路から一つ中に入った角地の中古で、家周りに植栽が多く、部屋の中からは緑がよく見え、日当たりも悪くない物件があり、最終的にはそこを購入した。

妻はどうだったか分からないが、私がここに決めた一番大きな理由は、家もさることながら、みなみ野という大変自然に恵まれた素晴らしい環境と、八王子という立地が気にいったからである。あの、海老名の川のそばの土地を買わなくてよかったと、子供達には感謝している。